えー、話題の本ですね。今どこの本屋行っても1位なんじゃないですか。
かなり酷評というか、問題視されてますんで、発禁される前に買ってみました。私は、結構すんなりと最後まで読めましたよ。「百田尚樹は、人間失格」みたいに言う人もいますが、物書きとしては一流だと思います(あえて作家とは言いませんが)。グイグイ引き込まれます。筆力が半端じゃないですね。
ま、全てがノンフィクションとは思えませんが、ノンフィクションというのは、10%くらいは、著者の想像というか、直感で書いても許容範囲なのではないかと、以前知り合いの編集者が言ってました。この本が、どれくらい事実を書いているのか、私にはわかりませんが、売れる本を作ろうと思ったら、奇麗ごとだけでは済まされないはずで、出版不況の今の時代には、いろいろと事情もあるのはわかります。
で、内容ですが、たかじんさんの周りには、すごく良い人もいたが、すごく悪い人もいっぱいいたってことですかね。しかし、私はあまりネガティヴにこの状況を捉えていません。俯瞰した見方をすれば、悪い人達(現実にはそうかどうかわかりませんが)は、たかじんさんの壮絶な人生の中で重要なポジションを演じていたのではないか、という気もします。その人達がいたからこそ、たかじんさんの人生劇場にドラマが生まれたり、逸話が残ったりしたんじゃないかとも思えるんですよね。
末期の頃の話は、正直、読んでて辛いですが、自分の末期も考えさせられます。
悪者にされた方々には気の毒ですが、読み物としては、いい本だと思います。
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