「いい音」。

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えー、先ほど、がんを公表した佐久間正英氏ですが、私は直接の関わりはありませんが、尊敬する音楽人の一人であります。
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過去に彼が、「いい音」について語った記事があります。素晴らしく的を射た考え方だと思いましたし、私もまったく同じ考え方でしたので、一部抜粋して掲載します。

「音楽の話をしていてもっとも誤解されやすいのは、『いい音』という言葉。これはMP3だWAVだというファイル形式の話ではないし、オーディオマニアがいうような優れた音質という話でもない。つまり、その時、その場、そのアーティスト、その楽曲にとってふさわしい音なのであって、どんなにボロくて安っぽい音質でも、それが最高に『いい音』として輝く音楽もあるんです。あるいは逆に、レンジが広く澄んだピアノの音があって初めて『いい音』として響く音楽もある。アーティストや楽曲によって最適解が違う、というのはそういう意味です。」

いろいろと意見もございましょうが、少なくとも、私の中では、これが正解かなと思っています。

なんでこんな事を言うかというと、ロンドン時代に動画を撮ってYouTubeにアップしていた時期があったんですが、ある時「ふと思う事」があって、音だけ録ってみたんですよ。

「ふと思う事」というのは、いつもは動画だったんで、撮る時に、いろんな邪念が入るんですよね。例えば、ちゃんと画面に収まっているかとか(基本カメラを三脚に立てて自分で撮影しますんで)、人ごみで撮っているので、誰かにカメラを持って行かれやしないかだとか、髪型は変じゃないかとか(笑)、結構いろんな事考えながら弾いていたんですよ。

で、いっそ音だけ録るようにすれば、演奏に集中できるんじゃないかと思ったんですね。

ということで、ある日、レコーダーだけ持ち込んで、音だけ録ってみました。場所は、私が一番落ち着くサウスケンジントン駅のロングトンネルのピッチです。

結果的に、もの凄く気持ち良く演奏ができました。変なプレッシャーも無いし、まさに普段バスキングでやってるそのままが記録されたと思います。ま、録ってるというだけで普段とは違うわけですが、動画撮影に比べれたら、無駄な力が入ってなかった気がします。というか、自分で言うのも何ですが、その時の体調や楽器のコンディションも相成り、「我が人生で最高の出来」だった気がしたんです。

しかしながら、初めて使うレコーダーだった為慣れておらず、入力レベルの設定が大き過ぎて音が歪んでしまったのですよ(泣)。後でLogicでどう修正しても、歪みが残ってしまい、これは使えないかなあと落胆しました。

でも、演奏が良かっただけに(当時の自分ではですよ)、どうにも諦めきれずmixiにアップして、マイミクさん達に、音が歪んでいるという事を述べた上で「使えるか、使えないか」のジャッジをお願いしました。

結果、皆さん屈託ない意見をおっしゃってくれて、全員が「これは商品としては使えない」という判断でした。

ま、そりゃそうだよなと思いましたが、正直私は、これはこれで雰囲気があっていいのではと、一筋の希望を抱いていたのです。でも全員反対では致し方ありません。涙を飲んでボツにしました。「もう一回録り直せばいいじゃないか」という意見もありましたが、音楽をやっている方は同調してくれるかもしれませんが、そんなもんでもないと思います。

これが、その音源です。

さて、皆さんの意見は、いかがなものでしょうか?

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