頭が真っ白になっても弾けるソロギター講座 第6回

頭が真っ白になっても弾けるソロギター講座

えー、この講座も第6回を迎えまして絶好調ですが、ここで私のバックバンド時代の経験談をお話しします。今回は、頭が真っ白というより、顔が真っ青になっても弾ける講座って感じですが、いつものように堅い事は言いっこナスでお願いします。

あれは、オーディションに合格して(詳しくは第1回をお読みください)、初めてのテレビ収録の時でした。

あるトーク&歌番組で、某女性歌手がゲストでした。

トークの収録が終わると、ゲストの思い出の曲みたいなのを生演奏で収録するのですが、音リハとかカメリハとか、ランスルーとかいろいろあって、5回くらい演奏するんです。そんで最後に本番なんですけど、なんとその女性歌手、本番直前に「声が出ないんでキー半音下げてくださーい」なんて抜かしやがったんですっ!

確か、キーは「A」で、それを半音下げるとなると「A♭」じゃないですかっ! 数日前まで素人同然の私に、いきなりの「A♭」は厳し過ぎです。

いやー、血の気が引きましたよ。

私以外のバンドの皆さんは、多少ひきつってる人もいましたが、いろんな現場で経験の多いベテランさん達ばかりなので「オッケー」なんて言って余裕ブッコいてます。

そしてすぐ本番です。

テレビの収録は結構バタバタしているので、よっぽどの事が無い限りバックバンドの事情などおかまいなしです。「プロなんだからそれぐらい楽勝でしょ?」ってな感じです。

ただでさえ緊張してるというのに、焦り度200%ですっ! チューニングを半音下げるという手もあったと思いますが、もうその時間もありません。

こんなにも俺の人生に試練が多いのを見ると、運命はよほど俺を大人物に仕立てようとしているに違いない」by シラー なんて名言が走馬灯のように頭をよぎります。

そして無情にも「では、本番お願いしま~す!10秒前、9、8…」とカウントがっ!

さー、そこで出ましたっ! いきなりクルリと後ろを振り返り、体で死角を作って、アンプのボリュームをむんずと回しますっ。

名付けて、秘技「ボリューム1奏法」!

そうです、私は卑怯者です。音量を目一杯下げて、自分の音を目立たないようにしようという、この上ない卑劣な手段に出てしまいました。まったくもってプロ失格です。でも本当に切羽詰まってたんです。勘弁してやってください(泣)。

演奏が終わってからベースの人に「ちょっと音ちっちゃかったんじゃないの?」と突っ込まれましたが、当時のバンドはホーンセクションやパーカッションもいたので、ソロでもない限り、あんまりギターはフューチャーされないというか、特にテレビ収録などではほとんど聴こえないので、なんとかその場しのぎにはなりましたが、若いミュージシャンは絶対まねしちゃいけません。どんなキーでも弾けるよう、日々練習してください。

さて、この経験はソロギターには応用できないようにも思えますが、実は少し小さめ音量でやると、気分的に弾きやすいという傾向もございます。なので、半分はアンプから、半分は生音も聴こえるというモニター状況を作ると、案外気持ちよく演奏できる場合があります。そういう意味で、あえてアンプやモニターのボリュームは上げ過ぎないというのも、ソロギターのライブのコツかもしれません。

んー、まとまったような、まとまってないような…(汗)

今日のソロギター秘技。
「切羽詰まった時の、ボリューム1奏法」 by 地下鉄のギタリスト
BGB5

 

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