えー、前回の続きです。
董運昌老師熱弁トーク中、後ろで、しれ〜っと指慣らしをしている土門氏。
「戦場のメリークリスマス」のイントロを弾き始めると、会場の空気ががらっと変わった気がしました。後で聞いたら、この曲は、ほとんどの人が知っていたらしいのですが、ロンドン時代の経験から、この曲は世界中で有名な事が身に染みてわかっていたので、「つかみはオッケー!」って感じです。
演奏中、お客さんの顔がちらちら見えたのですが、皆さん自然体で、リラックスしてる様子。
途中からは、会場と一体となった気がして、頭の中が空っぽになりました。ゾーンに入ったのでしょうか。かなり「無」の境地に近い精神状態。気がついたらいつの間にかエンディングに達してました。大きな拍手で我に返ると、お客さんやスタッフの穏やかな笑顔が見えます。唐突ではありますが、人生いろんな不安や葛藤がありますが、こういう瞬間は、幸せな気分でいっぱいです。
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2曲目の前に、今回持ってきたCDの宣伝やら、今回の目的、今後の台湾との仕事についてトークをし、「A Day In The Life」に入ります。メインで出演の潘世程教授が、今アジアで主流のテクニック派なので、私は、情緒的&アバンギャルドに挑みます。あえてテンポ感を消し、揺らぐように入っていき、不協和音のパートは、これでもかというくらいに不気味に響かせます。中には「なんじゃこりゃ?!」と感じた人もいたかもしれませんが、私は、これで良かったと思います。予定調和で終われば良いものを、あえて壊す。ま、ひねくれ者の性ということです(笑)。あ、もちろん会場からは、温かい拍手を頂き、フレンドリーな雰囲気で弾き終えたのでご安心を。
潘世程教授と(教授のギターは、ソモジ氏のお弟子さんで日本人ビルダー作だそうです)。
終演後、董運昌老師から、一緒に飯食いに行こうと言われ、台湾の伝統料理をごちそうになりました。後から、潘世程教授や、お客で来ていた若手ギタリスト達も合流して楽しい夜となりました。
董運昌老師と二人っきりになった時、「テクニックも大事かもしれないが、その前に音楽的であるかの方が大事。君の演奏はエモーショナルで魂が入ってるよ」と、ぼそっと言って頂けた事が嬉しかったです。
その後2、3件はしごし、最後は一緒に歩いてホテルまで送ってくれました。その夜の飲食代は、全て董運昌老師が払ってくれ、本当に良くしてもらいました。いつか恩返しができたらと思います。
いやー、また長くなってしまいましたので、続きは次回に持ち越します。
なんと3日目は、「千と千尋の神隠し」の舞台と言われる郊外の「九份」まで秋田氏と出かけることになりますが、そこでミラクルが起こりますっ!
Solo Guitar Records (2015-04-10)
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